
新茶仕入れの旅 静岡編
取材日:2025年4月23日-24日

大澤一貴
株式会社大佐和老舗 取締役副社長
静岡県の茶畑を巡り、生産者の皆様と直接お話しして
最高品質の新茶をお客様にお届けしています。
雨に煙る茶畑から始まった旅
4月23日、静岡県の茶畑を訪れた時は、あいにくの雨模様でした。深い緑に包まれた茶畑に細かな雨粒が降り注ぎ、霧がかかったような幻想的な風景が広がっていました。雨に濡れた新芽は一段と鮮やかな緑色を帯び、まさに今年の新茶の命が息づいている様子を肌で感じることができました。
熱気と香りに包まれる荒茶工場
4月24日は静岡県掛川にある山東茶業組合の荒茶製造工場を訪問しました。工場内に一歩足を踏み入れた瞬間、熱気と新鮮な茶葉の香りが私を包み込みました。工場では朝摘みたての茶葉を使った新茶の製造が行われており、活気に満ちた雰囲気が漂っていました。
今年は例年より少し遅めの収穫開始になりました。でも、その分じっくりと旨味が蓄積された良質な茶葉が採れています。毎年収穫開始を見極めるのが難しいです
— 組合長 伊藤さん
製造ラインでは蒸気が立ち上り、職人たちが真剣な表情で作業に取り組んでいました。茶葉が蒸され、揉まれ、乾燥されていく一連の工程を見学させていただきながら、日本茶づくりの伝統と技術の奥深さを改めて実感しました。
生産農家の声 – 今年の新茶を語る
最後に訪れたのは、老舗茶農家の赤堀園。私がお茶博士と呼ぶ、赤堀有彦さんに今年の茶の出来について伺いました。
今年は収穫前の寒さで難しい時期になりそうだったが、深みのある味わいが期待できますよ
— 赤堀有彦さん
有彦の茶畑を案内していただきながら、茶葉の状態や畑管理の工夫についても教えていただきました。
帰路に着きながら
5月7日、GW明けに仕入れをひと段落させて、東京へ帰ってまいりました。
静岡の山々に囲まれた茶畑を後にしながら、今年の新茶への期待が一層高まりました。雨の中の茶畑、熱気あふれる工場、そして情熱を持って茶づくりに取り組む生産者の方々との出会い—これらすべてが今年の新茶に込められています。
今年も店頭には多くの新茶が出揃いました。今回の訪問で実感した今年の茶の素晴らしさを、ぜひ多くのお客様に味わっていただければと思います。
今回の仕入れ旅の思い出
茶の香りとともに、生産者の方々の思いもお届けできれば幸いです。